誰がゲームを殺すのか

どーもー☆jetです。
shingoはニンテンドーDSを購入しました。
何故DSだったのか。
何故PSPでは無かったのか。
何故ゲームをする習慣がこれからもあまりないだろうに、買ったのか。
そこにはshingoの、ゲーム文化への想いがあります。
今日はその話を。


shingoは小学校〜中学校と、PCエンジンユーザーでした。
スーファミと比べればマイノリティーなPCエンジンでしたが、当時はゲームの主人公が喋ったり、マルチパッドにより二人以上の五人対戦ができたのは、まだPCエンジンだけでした。そんな魅力に惹かれ愛したのです。
しかし時は移ろいゆくもの。他ハードメーカーが次世代ハードを発表するのと平行して、PCエンジンもハイスペックに変身するため、CD-ROM→スーパーCD-ROM→アーケードカード・・と、人造人間バリの拡張をしていったのです。その末路は、結局はソフトありき。サードパーティーが減っていき、その先は荒野でした。shingoはその挫折とともにゲームをしないコに育ったのでした。


その後もゲーム業界は各ハードメーカーが、次世代ハード開発、次世代ハード開発を繰り返し、現在に至ります。
ハードが変わるたびに、ゲームユーザー数は縮小し、取り戻したかと思ったらまた縮小。ハイスペックなハードに見合うソフト制作には金がかかり、失敗は命取り。ソフトメーカーもここ数年で激減しました。ファミ通のソフト売り上げベスト10を見ても、半分はシリーズものやアニメのゲーム化したもの、半分はアドバンスのソフトといった現状で、家庭用ゲーム機では、全くのオリジナル新作を作りにくい時代となってしまいました。


不況に喘ぐゲーム業界に追い討ちをかけたのがプレステです。
ベータ以来のソニーのやり方、「とにかくハードを普及させて、ソフトは後からどうとでも」なやり方はブルーレイでもやってますが、そういう戦略で、DVDプレーヤー機能を搭載した「家電」は瞬く間に日本中のご家庭に広がりました。
しかし、どうでしょう。
私の周りでも、ゲームをするために使っている人はごくわずかで、最近の廉価な映画DVDソフトをプレイする家電と化しています。毎年買うゲームソフトは、ウイニングイレブンの最新版一枚だけな人もいるくらいです。


事実、先程も述べましたが、売り上げトップ10の半分はゲームボーイアドバンスのソフトが占めているのです。つまり、ハードの普及数から考えてもプレステユーザーに「ゲームをする人」というのは多くはない、ということです。


そういった単に自社のハードを売ることしか考えていない家電メーカーソニー中心のゲーム業界に、一石を投じようとしているのが任天堂のDSなのです。
ゲーム好きがゲームを作るようになってしまったからでしょうか。
昔は、映画・アニメ・小説など他のコンテンツに通じた人たちが、新しい「ゲーム」という地平でフロンティアスピリッツばりばりで見たことも無いゲームをたくさん生み出しました。でも今は、既成ジャンルの「アクションゲーム」や「RPG」等が、複雑にマイナーチェンジしただけのゲームばかりです。絵や操作方法が複雑になっただけのゲームはとっつきにくい印象をグレーのユーザーに与え、ゲーム離れを助長しています。
スーファミ時代の任天堂は、ロイヤリティーが高かったので、サードパーティーソニーにごっそり持っていかれた苦い過去があります。それ以降、任天堂は、ハードでは常にソニーに対し苦戦を強いられてきましたが、ポケモンにしろピクミンにしろ、オリジナリティー溢れるソフトの良質さでは群を抜いていました。ゲーム黎明期を体現してきた任天堂だからこそ、ゲーム文化は自分たちが創り出す!というエポックメイキングへの強い欲求が今も息づいているように思います。前述したアドバンスの状況にしてもそうです。任天堂はゲームは「おもちゃ」だ、という視点を失わなかったのです。常に子供たちをシンプルにわくわくさせるような視点を失わなかったのです。


今回のDS発売発表の際も、任天堂はそう言っています。
「ゲームを、昔の、誰もがわくわくした時代のもの戻したい」
2画面・タッチパネル・ピクトチャット・ゲームシェアリング・・etc
「さわってみたい」
そうユーザーに思わせるまだ見ぬ宇宙。
「こんな新しいソフトを作りたい」
そうソフトメーカーに思わせるまだ見ぬ地平。


PSPが欲しい!と言ってる人に共通していることで悲しいのが、
どんなソフトが出るか知らない点です。
ゲームをやらない人たちが、ソニー製品のデザインと、ブランディングで消費欲を刺激されているだけです。
音楽聴くならi-podのほうがいいし、映像はノートPCで見ます。
絵がキレイとか、そんな子供だましなことまだ言ってるのかと思ってしまいます。
ゲーム機としての魅力は、本当に分かりません。
まあ、家電メーカーに、日本が世界に誇る「ゲーム文化」というものを考える視点を求めるのは酷なのでしょうか。


DSとPSPを比べるのは、ニューストピックスとしてはキャッチーですが、アーティストの宇多田ヒカルとTVスターの浜崎あゆみを比べるごとく、ナンセンスなものです。
PSPのほうがハードは売れるでしょう。
でもDSは夢を与えてくれるのです。
新機能を生かした一体どんな新しいソフトが生まれてくるのでしょうか。
shingoは任天堂イデオロギーに、一票投じたようです。