ノロイ

http://www.no-ro-i.jp/
観てきました。Jホラーものは、なんだかんだ見ちゃうんですよね。
欧米のホラー映画ってのは単なるSFだと思うんです。あり得ないインパクトモンスター系が、えげつない殺し方で、派手に驚かしてくれるパターンが多いじゃないですか。
それと違って、日本ものってのは、人間の恐怖の本質を扱っている。
そこをじわじわ突いてくる。


人間が恐怖するものの本質とは何か。
それは「分からない」、ということです。
では、世に数多ある「分からないこと」の中で、最も「分からないこと」とは、何か。
それは、「他者の心」に違いありません。


霊とか宇宙人とか、もしかしたらいつの日かその謎は解けるかもしれません。
しかし、「他者の心」をは、我々が日常的に接してるにも関わらず、永遠に、100パーセントのレベルで理解することはできない。何故なら「私」は「あなた」ではないから。
そのため我々は日々、言葉で表情で身振りで、100パーの理解を目指し相手とコミニュケーションする。


想像してみて下さい。
「私」がコミニュケーションすることができない初対面の「あなた」。
あなたからは、理解できる言葉も、表情も、身振りも、ない。
逆に、理解できることは、2つ。
どうやらあなたが「人間のようで人間ではないこと」と、
あなたが「確実にそこにいること」。


恐怖の本質から論理的に考えて、これが我々にとって最も怖い対象です。
それを抽象的に表現してくるのが、Jホラーなのです!!(お疲れ。)


そんなこんなで楽しみにして観た「ノロイ」ですが、上記した恐怖の本質を、より純粋に描こうとした監督の姿勢に対して個人的に大賞賛なのですが、鑑賞後の感想としては、映画館で観るべきじゃない、ガッカリ作品でございました。
これは一般的に言うところの、「1,800円出す価値がない」、という意味ではなく、家で一人でビデオで観た方がこの作品が持つ「怖さ」を100パー引き出して楽しめる、と。
その意味合いは、当時、劇場版ではない「呪怨」を深夜に家で一人で観てしまった人には理解していただけると思います。
というわけで映画館へは観に行かないことをオススメします。


それにしても映画ってのは、スポットに騙されてクソ映画を観せられても、「金返せ!」とか言いながら、翌日には忘れて、後日またその失敗を繰り返しちゃいますよね。
ゲームやCDだとクソ作品を掴まされたら、その次の購買意欲を削がれるけれど、映画は、安い上に、手元に残らないから、憎しみを忘れちゃうんだよな〜。
(#゜Д゜) プンスコ!