漫画喫茶

居心地のいい漫画喫茶が地上げで立ち退いて以来、全く漫画喫茶に行かなくなってしまった。
いや、何度かその後もトライした。
しかしそのたびにイヤな気持ちになり、漫画喫茶そのものが好きでなくなってしまった。
いい店に慣れてしまったからか、求める条件が高くなったのである。


その条件とは至って普通である。
・客層がいい
・広い
こんだけ。


だいたい漫画喫茶というのは駅前にあるため、駅によっては客層がカオスである。
しかも一等地だからこそ狭い。
漫画を読むのはわくわくする行為であるにも関わらず、それとは真逆の密室的な空間。
そもそも、漫画だけが目当ての客は実は少ないのであろう。
あくまで目的はひまつぶしなのだ。


漫画喫茶はその発祥が名古屋と言われているが、
確かにその形態は、東京で見られるチェーンとは異なって多様であった。
文字通り、普通の喫茶店に膨大な漫画が置いてある、という店もあった。
そういう店だと漫画が「メディア」になった。
朝から友人と行って、喫茶店らしい4人席に座って、昼になったらランチ注文して、クリームソーダを飲みながら、漫画談義に花を咲かせた。


漫画は買ってもたかが500円程度。
読むスピードは人によって違うが、漫画喫茶に行くより買ったほうが実は得なことが多い。
しかしそういった店には、仲間との共通体験という代えがたい価値があったのだ。


書店に行っても人気漫画以外は単行本の立ち読みはできないから、
漫画雑誌を毎週読んでるくらいしないと、
自分が面白いと思う新しい漫画には出会えない。
でも漫画雑誌を毎週読むなんて、子供以外では結構な漫画(グラビア)好きだ。
ドラマ化・映画化されて知るという特殊ケースを除けば、
結局ちょっとした書評とかランキングとか店頭とかクチコミくらいしかないのだ。
携帯やPCで第一話をコマ単位で立ち読みして、単行本を買うかどうか決める、そういう消費行動をする人はいまどれくらいいるのだろうか。


著作権法的にも問題がある漫画喫茶はもっと漫画ファンを増やすことに貢献すべきだ。
例えば漫画ソムリエを置くとか。
「○○がお好きでしたら、◇◇はどうですか?」
「お客様くらいの方には□□が人気があります」
会員ごとに、これまで読んだ本がデータベース化できてもいいな。何巻まで読んだか、すぐ忘れるからね。このデータベースがamazonと連動して、漫画喫茶で読んだ単行本が「最近チェックした本」として表示されたりね。漫画喫茶はアフィリ収入得られていいじゃん?
あと、店の雰囲気ね。
こんだけネットカフェ難民が問題になってるんだから、蟻の巣みたいな個室を減らして、快適なオープン席つくれよと。
で、最後に立地ね。大きい街だったら、居心地のいい店には徒歩10分かかっても行くって人はじゅうぶんいるよ。だから二等立地のぶん、広くてキレイなとこ借りてね。以前、地下の個室で大きなゴキブリに遭遇した時は、普段さほどゴキブリを気にしない私もさすがに絶叫したから。。