第十四話 自由を語る男。

jetです☆
先日shingoは乗っていた電車を降りようとした際に40代くらいの会社員に注意された。
「網棚に雑誌を置いていっちゃダメだよ」と。
忘れ物ではなかった。読み終えたから放置していたのは事実であった。
shingoは素直に謝罪した。
shingo「すみません。」
おっさんは立ち去った。


現実はこれだけの出来事であった。
以下で、他人に人前で怒られて恥ずかしい→逆ギレという小心な妄想をその後繰り広げたshingoの内面の実態に迫る。
(ホワンホワンホワンホワンホワーン・・)




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おっさん「網棚に雑誌を置いていっちゃダメだよ」
shingo「すみません。」
しかし降車ホーム上にてshingoはさらに続けた。
shingo「でも何故、イケナイんですか?」
おっさん「ルールだからだよ。」
shingoの表情が変わった。鋭い目つきである。
shingo「ルール?ごもっともだ。だからわたしは謝罪した。しかしおっさん、少し思考が停止してないか。」
おっさん「!」


(以下shingoの説教シーン始まる。)
shingo「おっさんよ。
網棚に雑誌や新聞を置いていくな、というアナウンスが電車内で始まったのはつい最近のことだ。それはホームレスが雑誌を路上で販売するために雑誌を拾い集めたり、世にフリーペーパーが溢れかえっている今だからこその、新しいルールであろう。
でもそのルール、そんなに必要か?神経質過ぎじゃないか?
網棚の上を掃除するのは昔から鉄道会社の仕事としてあっただろうし、網棚の上に雑誌が残っていてもホームレスが回収し生活費に充てるだけじゃないか。一般乗客の誰にも迷惑はかけていないだろう。
第一ちゃんとゴミ箱に捨てようにも、テロ警戒以降、
ホームにゴミ箱が無いではないか!
なのに言ってるそばからキオスクでゴミを売っているではないか!
キオスクで売っているものは雑誌にしろ菓子にしろすべて暇つぶしに消費したらすぐに捨てられるゴミ候補だ。ゴミ候補を売っておいて、ゴミ箱を置かず、ゴミを持ち帰れとは何事だ?
金を稼ぐために物は売り、一方で神経質乗客の顔色を伺い善意の第三者のフリ。
まるで死の商人だ。
例えばキオスクで売っているパン。
あれはどこで食べればいいのだ。
ホームでか。そのために電車を乗り過ごすヒマ人じゃないから電車内で食べる。すると神経質な客から白い目で見られる。
じゃあホームで急いで食べる。すると食べたら食べたでゴミ箱がない。じゃあゴミは持ち帰るか。ああ、こんな悲しい食事、するんじゃなかった。。


日本は中国とは違う。
中国は「タンを吐くな」というマナーまで電車内に書かれている、公共意識が著しくお粗末な国だ。
日本はそんな国じゃないだろう。
もうこれ以上新しい車内マナーなんか必要ないんだ。
「思いやりを大切に」これだけで十分だろう。
マナーポスターコンテストなんかやるから、電車内がどんどん閉塞していくんだ。
ガキ共が神経質な問題を見つけポスターを描く。
「リュックサックは前へ」だと!?
笑わせるな!シュール過ぎるぞ!
問題ない世界でいちいち粗探しばかりすな!

これだけじゃない。毎月毎月あげあしを取ろうとしやがって。以下羅列。

かけてないよー、くまちゃん。大切なお仕事がんばって!

気にすることないよ、雨大変だったね、くまちゃん。

漏れてるっつっても小音。みんな、くまちゃんに聞き耳立て過ぎです!

誰か!くまちゃんを助けてあげて!

「ひろげすぎにご注意を」って、
そんな日本語聞いたことないぞ!
隣の連中も、神経質になってるヒマがあったら、くまちゃんみたく新聞読んで世界を知れ!!



近年で最重要課題であるケータイ使用のマナーに関しては賛否両論あるだろうが、これだって何故イケナイのかよく分からない。
「ペースメーカーが・・」という理由は当の昔に車内表示から消えたように、その言説はウソだ。んなことで生命を司る機械が壊れないようにとっくに改良されとるわ!(そもそも電車の外も電磁波だらけだろ!)
車内通話がうるさい言うても、おばちゃんや女子高生が友達同士で大声で会話しているのと同じだろ!
よく言うだろう。外人が日本に来て「怖い」と思うのが、電車内でみんな異常に静かにしてることだと。relaxじゃなくtensionしてると。
みんな異端がキライなだけなんだ。静かな車内で浮いたヤツが見えない相手と話してるのが気持ち悪いんだろう。理由なんてそんなもんだ。
小さ過ぎるぞ!神経質過ぎる!
お前は一生電車の中で小音でウォークマン聴きながら、無音でケータイのゲームやってるつもりか!
元気出せ!


そして最後に一つ言わせてくれ。
人身事故で電車が遅れてる時、時計を見ながら苛立ってるヤツへ。人が一人死んでるかもしれないんだ!無事を祈り涙しろ!!人として死んじゃってるのはお前のほうだ!!!
生きろ!




おっさん「ポカーン・・」
shingo「でもルールはルールだ。すまなかった。おっさん、注意してくれてありがとよ☆」




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(ホワンホワンホワンホワンホワーン・・)
立ち去るおっさんの背中を見ながらここまで20秒。
よっぽど悔しかったのであろうか。
shingo、26歳。
ちいさな、ちいさな、男である。