「レイトン教授と最後の時間旅行」


レイトン教授と最後の時間旅行(特典無し)


サードパーティーもいつの間にやら、
スクエニとかカプコンとかバンダイナムコとかセガといった
老舗メーカーしか残っていないように見えるゲーム業界。
そんななかでも10年目の新興メーカーであるにも関わらず、
ひときわ輝いているのがレベルファイブですよね。
不況と言われて数年経ちますが、
任天堂カプコンといったヒット作を生み出している企業というのは、
作品のクオリティはもちろんですが、
やっぱり商売上手なんですよね。


レベルファイブもそう。
古典的パズルゲームに、演出としてストーリー性を加味し、
むしろ後者メインのように強調する見せ方。
実際レイトンファンにはナゾ解きは嫌いだけど、キャラやストーリーが好きという人が多く、
今作の記者会見では大泉洋ですらそう発言していたほどです。
(高齢の多湖輝先生も来てたのになんてこと言うんだよ!怒)
しかし不況下でヒットさせるということは、
これら「ゲーム嫌い」の層をいかに巻き込むかということ。
マーケティングは至るところで徹底されており、
キャラは作家性の薄い記号的でクセのない絵柄を主人公たちに採用し、
世界観やストーリーのファンタジー性も、宮崎駿的=童話的レベルに抑えています。
王道RPG的ファンタジー性は、Touch! Generationsユーザーは好みませんからね。
そして宣伝活動への注力は有名ですよね。
大量のスポット、パブ狙いの豪華声優陣。
制作費○億かけたゲームよりも宣伝費○億かけたソフトが売れるのは、
ゲームが共通の話題ではない時代には当然のことです。
つまり完全に市場ありき。
クリエイティビティはそのための道具に過ぎません。
多くのパブリッシャーがなかなかヒット作を生み出せないのは、
いまだクリエイティビティを目的化しているからでしょう。
こんなことは一般企業ではあり得ないことですが、
そんだけゲーム業界は素晴らしくイノセントなのです。


ちなみに昨年のTGSでもレベルファイブのブースは違いました。
新作の映像をクローズドで見せるという発表形式は、
スクリーン映写やカメラ撮影禁止のためだけでなく、
スペシャルな限定感を演出する効果がありますが、
他社がそうであったように、普通はブースの中のあくまで一つのコーナーに過ぎないのです。
しかしレベルファイブの場合は、ブースをまるごとカーテンで仕切り、
クローズドであること自体を全開アピールw
結果、道行く人はみな足を止め、大盛況でした。
今後予定されている新作も、例えば二ノ国のように、
ジブリ久石譲とのコラボというだけでなく、
ソフト付属の「魔法指南書」という一冊の本を用いながらゲームを進めるという
少年少女の普遍的なロマンに訴えかけるゲームシステムを採用。
どんだけパブ狙いの弾、込めてんだよと感心します。
売れる仕掛けがなきゃ商売する意味がないと言わんばかりのスタンス、
それがレベルファイブなのです。


あ……「レイトン教授と最後の時間旅行」クリアの感想書くつもりだったのに!!!!
ま、いっかw