第九話 逆玉をつかみにいった男


こんばんわ、jetです☆


身の回りに逆玉を目指す男がいたとしたら、みなさんはひくでしょうか。
なんというか、ヒモのような男って情けない感じですよね。やっぱし。
でもそんな男がいたのです。
その男は言いました。
平安時代、没落貴族が藤原氏の娘を政略的に嫁として娶り、栄華を極める。これは男のロマンだ!」
それを聞いた彼の友人が正しいことを言いました。
「でもそれじゃあ、相手の女性がかわいそうだろ」
すると彼はこう力強く答えました。
「大丈夫、幸せにするから」

逆玉プロジェクト第一弾「女医」


わたくしjetが気付いた限り、ある日からshingoのPCのお気に入りには、女医さんのタマゴたちが棲息しそうな医大や女子医大のサークルHPが登録されつつあった。
「この演奏会、見に行ってみるか・・」
「あちゃー、学園祭は終わった後か・・」
どうしたら将来女医さんとなる彼女らと出会えるのだろう。
shingoは毎日そんなことばかり妄想していた模様。
「通学路に毎朝通えば、何か起こるかも・・」
実にアブナイ男である。。


そんなある日、女子医大サークル掲示板に書き込まれたある情報。
とある(野郎もいる)大学医学部のサークルがクラブイベントを開催するとの告知であった。
キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!!
女医さんのタマゴと出会える、逆玉のチャンス!
一攫千金→南の島のチャンスである!
人生をかけた勝負に、shingoは即、チケット代を入金した。


当日、shingoは友人ライト君と共に、西麻布のかの地へ。
おそらく医大生が溢れているだろう。
しかし二人は非学生である。まして、医大卒ではない。
なので一応、二人は「学生」という設定にしようと事前打ち合わせ。
しかしさすがに医大という設定ではボロが出るので、それぞれの母校の現役学生ということにし、チケットは医大の友人にもらったということにしよう。
若くはないが、医学部も6年間行くわけだし、ヤツラも若くはないだろう。
「そのメスどこ製ですか?」
このセリフで女医さんに話しかけようと盛り上がる二人は、上空から見る限り、明らかにおっさんであった。


jet的には想像通りのことであったが、やはり会場は野郎ばかりであった。
男:女=3:1である。
男は踊らずにつっ立っていて、女のコは椅子でナンパ待ち状態である。
どの女のコも常にいずれかの野郎に話しかけられていた。
「こいつら(野郎たち)、オレたちみたいに人生かけて(逆玉)ないくせに・・」
shingo&ライトにとっては人生をかけた勝負。本気だった。負けてはいられない。
よし!そこの席のコ二人にまず声かけよう。
かわいい上に女医さんか。気合が入る。
shingo「そのメスどこ製ですか?」
女のコ「は??」
※『そのメスどこ製ですか』以後封印。
ライト「女医さんですか?」
女のコ「は??」
shingo「どこの学生?」
女のコ「○○女子大」
shingo「は??」


普通の学生さんであった。医大でも医学部でもない。
聞くとshingo&ライトの設定と同じく、知人からインビをもらってきたという。
shingo&ライトは立ち去った。
shingo&ライト「おいおい、冷やかしかよ〜」
お前らもである。


続いて次のテーブルへ。
しかしながらこちらも普通の学生さんであった。
そうか、こいつら、玉の輿狙いか!同業者だな!
shingo「ストレート玉?」
女のコ「は??」


「どいつもこいつも金に目がくらみやがって」
shingoとライトは勝手に憤っていた。
医大生の男との出会いを求めてきた女のコが紛れているのである。
「女医さんは一体どのコなんだ・・」
そこで二人は作戦を変更した。
真面目そうな風貌の女のコにピンポイントで話しかける作戦である。
キーワードはメガネ。
あまり野郎に話しかけられないくらいのコが女医に違いない。
・・ひどい偏見である。


すると、いた!
ドリンクを求めて並んでいる。
キている。南の島がキている!!
メガネが二人!ダブルメガネで確率2倍!ダブル逆玉か!?
ドリンクを手に取って列を離れそうだ、行くぞ!
ライト「女医さんですよね?」
女のコ「は??」
shingo「処方箋書くの得意ですか?」
女のコ「はい??」
ライト(耳元で)「女・医・さ・ん??」
女のコ(不安そうにたじろぐ)
shingo(安心させようと満面の笑顔で)「二人はやっぱり汗は拭いてもらうほう?」
女のコ二人はその場を逃げ去った。


その後もその調子であった。
女医さんがいない・・
それどころか、ここはまさか医大男とそれを求めにきた女のコだけ!?
その予感が確信に変わった時、
男二人は会場を逃げ去った。